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血液内科学メモ置き場

 

血栓・止血疾患

血友病

概要:凝固因子の遺伝子異常により出血症状を幼少期より反復する遺伝性疾患である。

疫学:代表的なX連鎖劣性遺伝形式の遺伝性疾患であり,女性には少ない。男性の発症率はわが国で1/5000-1万程度。

病態生理:病因は凝固因子FVIIIの場合(血友病A)とFIXの場合(血友病B)があり,変異の種類は問わない。

症状:幼少期より皮下・関節内出血を中心に様々な出血症状を反復する。関節内出血は炎症を伴って反復するため,最終的に関節運動障害をきたす。他にも筋肉内出血や血尿などが見られる。頭蓋内・腹腔内・頚部の出血では重症化しうるので予防し留意する。

検査:APTT延長,PT正常(内因系のみに障害がある)。FVIIIとFIXの量および活性で確定診断する。

治療:FVIIIまたはFIXの予防的な定期投与が基本になる。補充したタンパクに対する抗体が発生することで止血効果が落ちることがあり,その場合は他の止血方法を用いる。

鑑別疾患:①von Willebrand病:常染色体優性遺伝を基本とする疾患であり,女性ではこちらの方が多い

関係するページ:in vivo遺伝子治療の概略と展望 21/08/20